【獣医学部 高2から】高2の春、「出遅れた」自分を変えた——獣医学部を目指したKくんの挑戦

獣医学部受験 高2から
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Kくんが「獣医学部を受験する」とはっきり決めたのは、高校2年の3月のことでした。それまでも「動物が好き」「獣医になれたらいいな」と漠然とした憧れはあったそうですが、「自分にそんな難関は無理だ」と心のどこかで思っていたと言います。実際、日々の勉強はどこか受け身で、受験という言葉からも距離を置いていました。

それでもやはり、「獣医になりたい」という思いを完全に捨てることはできなかったKくんは、勇気を出して春期講習から受験勉強を始めることに。友人が通っていた予備校に申し込み、なんとか流れに乗ろうとしました。

しかし、1ヶ月経った頃、強い違和感を感じたそうです。授業のスピードについていけず、質問もしづらく、自分がどこでつまずいているのかもわからない。周囲の受験生たちのレベルの高さに圧倒され、「自分は無謀なことを始めてしまったのでは」と不安が募りました。

その後、初めて模試を受け、Kくんは現実を突きつけられます。成績は予想以上に悪く、E判定。まさに「自分が今まで逃げてきた結果がそのまま出た」と本人も語っていました。

「やっぱり無理なんだ」という思いと、「でも諦めたくない」という気持ちが交錯する中、Kくんはご両親に相談し、学習環境を変える決断をしました。

家庭教師を探す中でウェルズを知り、面談を経て担当教師の指導を受けることになります。初対面の印象は「正直ちょっと怖かった」と笑いながら話してくれましたが、ご両親の強い後押しもあり、指導を受けることを決意。実際に授業が始まると、その印象は大きく変わっていきました。

教師は決して甘い言葉ばかりをかける人ではありませんでした。やるべきことをやっていなければ、時には厳しい言葉も飛びます。ただ、それは生徒に対する本気の姿勢であり、Kくん自身も「先生の言葉はいつも本質を突いていて、逃げられない感じがした」と言っていました。それまでの自分なら、逃げ道を探していたところを、ぐっと踏みとどまらせてくれる存在だったのです。

指導は、Kくんの現状にしっかり合わせたものでした。ただテキストを進めるのではなく、理解の浅い箇所を掘り下げ、必要に応じて中学内容までさかのぼることもありました。特に苦手だった数学は、はじめは「何を聞かれているのかすらわからない」と言っていた状態でしたが、教師が図解や具体例を交えながら丁寧に説明する中で、徐々に「なんとなくわかる」「ちょっと楽しいかも」という感覚を持てるようになっていきました。

週に何度かの指導の中で、毎回確認テストがありました。間違えた問題はすぐにその場で解き直し、なぜ間違えたのかを一緒に言語化して確認します。その積み重ねが、少しずつ「自分でもできる」という手応えに変わっていきました。成績も模試のたびに少しずつ上がり始め、「勉強って、こういうふうにやればいいんだ」と感じる瞬間が増えていったようです。

また、Kくんは勉強だけでなく、将来のことや学校での悩みなども教師に相談してくれていました。精神的に不安定になりがちな受験期において、「話を聞いてもらえる」「自分の状況をちゃんとわかってくれる人がいる」ということは、何よりの支えだったと言っていました。焦ったとき、落ち込んだとき、励ましの言葉とともに「やるべきことはこれ」と示してくれる存在がいたからこそ、立て直すことができたのだと思います。

そして迎えた受験本番。試験前日まで不安はあったものの、「やれるだけのことはやった」という清々しい気持ちで臨むことができたとのこと。合格発表の瞬間、画面に自分の番号を見つけた時、「人生あきらめるな!」とドラマのようなセリフが本当に口から出たというエピソードは、今でも忘れられません。

スタートは確かに出遅れていました。しかし、それを悔やむよりも「今、自分にできることを一つひとつ積み重ねる」ことに集中したKくんの姿は、すべての受験生に勇気を与えるものだと思います。努力の価値を信じ、支えてくれる人を信じ、自分を信じたKくんの合格は、まさに彼自身が掴み取ったものです。

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